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2011年11月 1日 (火)

「プロフェッショナルたちの脳活用法」 - 茂木 健一郎 - 2009年

プロフェッショナルたちの脳活用法 (生活人新書)

「プロフェッショナルたちの脳活用法」 - 茂木 健一郎 - 2009年

 著者がキャスターを務めたNHK番組を文庫本にしたもの。ベッドでくつろぐ時、お風呂で湯船に浸る時、飛行機でカクテルを口にする時、タクシーで移動する時、つまり「感覚遮断」に近い状態でアイディアは生れる。著者は「ちょっと手洗いに..」とトイレにこもった時である。私が付け加えるなら緊張とリラックス、日常と非日常の「境界」からアイディアが発生すると思う。

 学校改革を行った京都の荒瀬校長は「校内をぼんやり歩く(24p)」時である。アリストテレスを中心とする逍遥学派は「歩きながら考える(25p)」時である。著者は「ひらめく時間は、約0.1秒..脳の神経細胞が..総動員され..動物であれば無防備な状態で..長く続かない(p23)」と推定する。

 私が体験するひらめきの瞬間と符合する記述が多い。昼食前の4kmジョギングでアイディアが浮かぶ。そのタイミングはいつもスタートして数分以内の一瞬である。直前のデスクワークで「アイディアに必要なパーツが側頭葉に蓄積され(p22)」て、お昼のチャイムで着替えシューズに書き換えて走り出すと著者がいう「感覚遮断」され最初の数分間にアイディアが浮かぶことを良く経験する。

 その感覚は夢に似ていて、約20分間のジョギングを終えると忘れることも多い。だから、途中から「忘れまい」と必死に念じながら走ることさえある。いつもアイディアを考えているがアイディアが生れるのは脳が緩んだときではないか。

 私にとっては示唆に富んだ実用書だった。(BOOK OFFで105円で購入)

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