日本語とゼスチャーと表情とで - Dalian Vol.3 -
○ナマの中国人に遭遇
会場には業者と一般入場者が入り乱れている。苦労して用意したサンプルを極力、業者に試食させるため招待券を事前に配り、一般入場者へは「程々に」試食させる。しかし珍しいものに対する中国人の行動は日本人のそれと大きく異なる。日本から持ち込んだガリをボウル入れテーブルに置くと前を通る中国人は次々とそれを覗き込む。日本人の様にチラッと見るのではない。極端に言えば頭をボウルに突っ込む様に覗き込む。テーブルに道具を置いておくと、すぐ手にとっていじり回す..そしてしばらくするとなくなっていたりする。ペンを渡してアンケートを依頼するとかなりの確率でペンは返って来ない。かなり用意したパンフレットもあっという間に底をつきそうになる。○言葉が通じなくても
大半の消費者は本物の握り鮨など口にしたことはないらしい。その目の前でシャリを用意し、寿司を握り、鰤をバーナーで炙って仕上れば興味を示さないはずはない。気づくと試食を望む人が膨れ上がる。行列を作る意識は希薄で押してくる人も多い。通訳スタッフはメディア対応でこちらには手が廻らない。仕方なく指を一本立て日本語で「一列!」といって並ぶ方向を指差した..どうやら理解したのかニヤニヤしながら列ができはじめる。並んだ入場者を「やればできるじゃん」と誉める。通じないはずの日本語とゼスチャーで何とかなることもある。試食席が空くと列の先頭の人に「おまたせしました。こちらにどうぞ」と着席を勧めると嬉しそうに着席し、次の人に「少しお待ちください。」と手振り交じりで言うと笑顔が返って来る。割り込みを見つけては列の最後尾を指差さし並ばせる。割り込んで皿に手を伸ばせば、「あーダメ!」と制止する。ここらを会得すると何だか楽しい。ご婦人とゼスチャー、表情、通じない日本語で会話することを楽しめる。但し、列の先頭付近は割り込まないようにずっと両手を広げていたおかげで腕が痺れてしまった。○中国人が鮨に遭遇
食べ慣れていない鮨に苦労している人も多い。シャリとネタをバラバラにして食べる人、ネタを食べ残す人、醤油を大量に使う人と様々である。握り鮨の手さばきが早すぎて「ワサビが入っていない」と文句をいう人には、ネタをはぐって見せて納得させる。彼らにとってはそのワサビも激烈な味だったかも知れない。その一方で、何故か試食後のアンケートには総じて熱心に考え込みながら書き込んでいる人もいる。
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コメント
腹きり・芸者・富士山これは古すぎ、現在ではmade in jappanは品質の高い工業製品の代名詞。工業製品ばかりではなく、日本の食文化も最近では脚光を浴びていますね。こんな地道な活動が大切なんですね。
投稿: 楽天 | 2008年11月13日 (木) 08:18
中国の富裕層は貪欲に新たな味覚を探している印象です。もともと生で食べる習慣がないはずですが、二度ほど、活きた車海老がテーブルに並びました。
地道と言えばそうなんですが、険しい道でもあります..とは言え、私は所詮、同行者です。他のスタッフが大変です。
投稿: 末吉 | 2008年11月14日 (金) 00:25