「地下鉄(メトロ)に乗って」 -浅田 次郎- 1994年
地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
著者:浅田 次郎 |
読み終わると心の底に切なさが広がった。登場人物は僅か十数人で実はそのカウントの仕方が難しい。それがこの小説の核心でもある。都会の地下鉄が時代と人の接点になって、バラバラだった人間関係が最後は収斂していく。
著者は7歳年上の1951年生まれ。高卒で自衛隊への入隊後には、暴力団とかかわり、競馬で生計を立てたり婦人服販売会社を営むなど「人生経験」は積んでいる。その経験が小説の所々..いや随所で活きており、1995年に吉川英治文学新人賞を受賞する。そして2年後には「鉄道員(ぽっぽや)」で直木賞を受賞している。
直感で「映像にしたらいい」という印象(予感)通り、映画(2006年)、TV(2006年)さらにミュージカル(2000・2007年)にもなっていた。TVドラマをほとんど見ない私でも「DVDでも借りようか..」という気にさせてくれる。(BOOK・OFFにて300円で購入)
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