「蒲生邸事件」 -宮部みゆき- 1996年
蒲生邸事件 (文春文庫) 著者:宮部 みゆき |
「何でも読もう」と決め、推理小説を選んだ。書店では同年代の東野圭吾と宮部みゆきの著書が良く目に留まる。ほどほどのページ数の後者の著書を選んだ。だが、推理小説というよりSFだった。実に地味なタイトルである。著者が30歳半ばで執筆し、SF大賞を受けている。(BOOK・OFF大分敷戸店にて500円で購入)
大学受験に失敗し予備校受験に向かった高校生「孝志」がホテル火災で図らずも時間旅行に巻き込まれる。うろたえる主人公がいつの間にか成長してしまう。2・26事件周辺を物語は進んでいく。さらに飛び込んだ陸軍大将の家族の人間模様が次第に見えてくる。
未来を知って行動する人たちを「まがい物の神」と呼ぶ。時間を越えた恋が世代を跨いでしまうはかなさと違和感で締めくくり、不思議な気分にさせてくれる。ここらはいかにも女性の感性を感じる。何となく映像が見えてくる小説だった。さらに丹念な取材が表現が現実味を支える。
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コメント
末吉に触発されて先日ブックオフで二冊買った。久しぶりだなぁ、積読にならないようボチボチ読もか。
投稿: ひで丸 | 2008年6月 5日 (木) 08:18
○ひで丸へ
通常の書店で新刊を眺めて目星をつけておく。そして古本屋でそれをみつけていそいそと買う。結構面白い。古典の文庫本なら100円で売ってる。図書館なら只だけど「書き込み癖」がついて最近は借りなくなった。私もぼちぼち読みますよ。
確かに2冊くらいあった方がいいかも。すぐに次の本が読めるから..
投稿: 末吉 | 2008年6月 5日 (木) 21:54