フードマイレージと食料自給率
業界紙で持続性をテーマに「フードマイレージ」と「食料自給率」に関する短い2つの記事があった。前者ではマイレージの概念や特徴とともに食材配送サービス(株式会社「大地」?)を運営する「大地を守る会」が考案した独自のマイレージ「poco」(ポコ)を体験できるサイトも紹介している。サイトはシンプルだが良く作りこんである。国産品と輸入品の比較やマイレージの計算ができる。
一方、後者は「カロリー」「金額」「重量」の3種の食料自給率の計算基準があり、国産の畜産物は輸入餌料分の生産として3/4が控除されている一方、国産の養殖魚は餌料となる魚粉のほとんどを海外に頼っているが全く控除されていないとしている。
私は以前から自給率を低下させた真犯人は「学校給食」ではないかと考えている。記事には「人間の食生活はもともと、その土地々々で採捕、あるいは栽培できる食材をベースに構築されている..(アクアネット2008年3月32p)」とある。本来、米食だった日本人に積極的にパン食つまり小麦食を導入したのが学校給食だった。識者の論議では良く「日本人が米を喰えば自給率はすぐに上がる」という発言を耳にする。
今、小麦、トウモロコシとともにイワシ等のどちらかと言えば大衆魚も価格が上昇している。その低価格帯の魚は加工用であり、そのさらに下は餌料用である。つまり原料が高騰している。ところが依然として中高級魚の国内消費は振るわない。まさに寺島実郎氏がいう「川上インフレ川下デフレ」の状態になっている。「他国に負けない値段で買い付ければ日本国内では売れない....(アクアネット同33p)」という。もともとフードマイレージが高くても産地価格が安価なものを世界中から調達したのだから、買い負けは当然である。
そもそも一般家庭でも和洋中に用いる多くの素材を食べるという(恐らく)世界的に見ても稀有な食生活から脱却すべきだと思う。一匹の魚を刺身にし、煮魚にし、焼き魚にし、時に油で揚げれば良いのではないか。
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