「風の歌を聴け」 -村上春樹- 1979年
風の歌を聴け (講談社文庫) 著者:村上 春樹 |
30年近く前、私がまだ大学3年だった頃の村上春樹デビュー作である。彼は早稲田大学在学中に映画脚本家を目指していた。そしてジャズ喫茶を経営していた。このデビューから2年後には彼は専業作家を決心した。ほぼ団塊の世代と言える1949年生まれである。
英文の翻訳家でもあるせいか表現が「乾いていて」「分かりやすい」印象がある。出来事を淡々と、そして短く綴る文章は好きである。海岸沿いの街を舞台にカタカナを多用され、DJが突然割り込んでくる。米国の香りが強い。海外で翻訳されて読まれている。確かに翻訳しやすい文体である。
何の脈絡もなく作家の話が続いたり、実験的と言えるのかも知れない。読み終わると居なくなった片手の指が4本しかない女の子の印象や帰省中の出来事という儚さが妙に後味として残る。
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