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2007年10月13日 (土)

「99・9%は仮説」 竹内 薫

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

著者:竹内 薫
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 購読の動機はアル・ゴアのノーベル平和賞受賞だった。最近の店頭に並ぶ本に環境に関する書物が多い。だが、環境問題に取り組もうとする本とその取り組みを批判的する本に分かれる。養老孟司氏が「バカの壁」で科学的推論や反証主義について論じている。京都議定書を実行する方策の答申案で温暖化について「CO2増加による」という記述に「..と推測される」と追加を求めたところ、官僚から「科学者の8割が炭酸ガスが原因と認めている」と反論したという。科学は多数決ではない

コメントへ続く

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 プトレオマイオスは地球を宇宙の中心に置いた。かの地動説のコペルニクスは、太陽を宇宙の中心に置いた。ティコも地球を宇宙の中心に置いたが火星は太陽の周りを廻ると考えた。どの天才も「宇宙は完全」という当時の「常識」を完全に引っ張れ、軌道が「楕円」という発想は全くなかった。天才も常に「常識」に打ち勝てない

 「仮説を倒すことができるのは仮説だけ(92p)」「演繹法でしか古い仮説は倒せない(93p)」..確かに帰納法のはずなのに、実験計画段階で既に頭の中に結果(仮説)が出来上がっている。それに気づくことはよく経験することである。

 lobotomyを知り驚愕した。精神病患者に対して前頭葉(lobo)を切除(tomy)する手術が1970年頃まで行われていた。日本でもある医師が戦後500例以上行っていたが、全体像は不明である。私が生れてからも行われていた。チンパンジーを使った実験一例の「凶暴性がなくなった(102p)」という報告だけが根拠だった。背景には第二次大戦、患者の増加、薬物療法等が存在しなかったことがあった。「一般的な治療(107p)」として米国だけで1万件が行われ、人格が切除され、4%は死亡した。さらに驚くことに最初に「数十人もの患者を実験台に(104p)」したエガス・モニスは1949年にノーベル賞を受けている。ふと、薬害エイズ事件を思い出した。非加熱製剤が「日本」の「常識」だったために被害は拡大したか。

 「時代と場所によって正しいことは変わる」「人間の考えることはすべて仮説にすぎない(110p)」..いまさらではあるが、その通りである。これを誰もが信じる「白い仮説」、限りなく嘘に近い「黒い仮説」と表現し、10番目の惑星(「エリス」?)、アインシュタインの宇宙定数をlobotomyと同様に劇的に変わった事例として紹介している。だた「一般の人々は、テレビなどで喧伝されてそれを白だと思い込む(126p)」「テレビが何十万、何百万という視聴者の頭に勝手な仮説をインプット(156p)」とTVを批判している。温暖化問題はどうか。養老孟司氏と同様にカール・ポパーを引用し「科学は、常に反証できるもの(132p)」が科学である。マイナスイオン、宗教、共産主義にはこれがない。

 聖書により「人類は神よって創られた(160p)」とされ「宇宙のどこかに知的設計者が(161p)」いるとされている。これさえ反証できない。映画「マトリクス」を連想した。実は私自身、「自分が現実と認識しているのは夢ではないか。目が覚めていないだけではないか」と漠然と思ったことがある。アインシュタインそしてホーキングの話になると「存在」まで怪しくなり、やはり本にも「マトリクス」が出てきた。

投稿: 末吉 | 2007年10月14日 (日) 23:44

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