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2007年8月19日 (日)

「『狂い』のすすめ」 -ひろさちや-

「狂い」のすすめ (集英社新書 377C) 「狂い」のすすめ (集英社新書 377C)

著者:ひろ さちや
販売元:集英社
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著者は東京大学で印度哲学科を卒業し気象大学で教鞭を執りながら、宗教評論家として400以上の著作を執筆しているらしい。正直に言えば自分には素直に受け入れるのが難しい本だった。Amazonのレビューを見ても評価はまちまちだ。

○人生は無意味・・いきなり自分の考えを否定された。大体、新書を読もうとする人は概ね生きる目的や意義を見出そうとしている。ところが読者に「世の中に役に立つ人間になろうとする、その卑屈な意識がいけません(60p)」とくる。さらに「人は、生れ、苦しみ、そして死ぬ(65p)」だけとと言う。養老孟司氏が「バカの壁」でアウシュビッツでの収容経験を持つV.E.フランクルの言葉「人生の意味は外部にある」を紹介していたことを思い出す。私へのアンチテーゼでもある。

コメントへ続く

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コメント

○イスラム教の神下駄主義・・藤原正彦氏に聞かせたい。私は「武士というのが嫌いです..武士道を賛美する人を軽蔑しますね。(92p)」である。さらに「重荷は他人に背負わせると良い。(95p)」と来る。うーん目が廻りそう。

○希望を持つな・・そして「反省や後悔はするな!希望や理想は持つな!」..もう私には理解できません。なかなか宗教家や哲学者にはなれない。(そのつもりもないが..)

○病気と仲良くする・・ここは何となく理解が出来る。「病気をなくすことが医学の目的ではありません」と言い、がん等に苦しむ人に医学がやるべきことは「患者の日常生活を楽にすること(104p)」と言ってます。延命措置(つまり平均寿命が飛躍的に延びた)のために実は「がん」かもしれない自然な老衰死を減っているということです。「仏教の考え方は老、病、死を敵視しません。(107p)」ということあたりは宗教の役目なのかも知れない。

○ゴムの物差し・・「人間の価値は..商品価値(機能価値)によって決められている(165p)」が、私たちがこれを測ろうとすると「ゴム紐の物差し(166p)」を使って都合がいい様に測ってしまう。ところが勤勉な者もそうでない者も社会を形成する因子であるから、「存在価値」(166p)で論じられるべきと言い、その時に使うのは「仏(神)の物差し」だが、目盛りもなく図れない物差しということである。確かに国民がすべて総理大臣だったら国は立ち行かなくなるだろう。ここは少し理解できる。

投稿: 末吉 | 2007年8月21日 (火) 21:41

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