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2007年8月27日 (月)

「海ゴミ」 -小島あずさ,眞淳平-

海ゴミ-拡大する地球環境汚染 (中公新書 1906) 海ゴミ-拡大する地球環境汚染 (中公新書 1906)

著者:小島 あずさ,眞 淳平
販売元:中央公論新社
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台風5号の通過により佐伯市では50mm/hを超える降雨があった。大量のごみが河川から佐伯湾に流れた。一部は港に吹き寄せられ、航行の障害となり、また、一部は海水浴場に打ち上げられた。その対処には地域住民や行政が取り組んだが、漁業者は「川上の尻拭い」という不満が大きい。本書を地方紙の書評欄で目にし読んだ。

○著者・・海や川の環境保全を行っている環境NGO「JEAN」の小島あずさ代表と出版社代表眞淳平氏の共著であるが、小島氏は「はじめに」のみを執筆し、大半は眞氏が執筆している。両氏とも私とほぼ同年代である。

JEAN/クリーンアップ全国事務局http://www.jean.jp/

コメントへ続く

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07「読む」」カテゴリの記事

コメント

実際ヨットで航行していると、プロペラによくごみが絡みます。コンビニ袋、網の一部・釣り糸、あと自然ごみ。潮目通過時には気を使います。

投稿: 楽天 | 2007年8月28日 (火) 11:15

●本文から続き..

○負担がのしかかる・・「クリーンアップは、根気のいる地味な作業だ。植えた木を育てていくような見守る喜びや、作業自体の楽しみはほとんどない」という一文は私には特別の響きがある。かつて「漁民の森」に参加したが、一方で漁業者の川上への不満をよく耳にしている。川下のクリーンアップに川上の参加はあるのだろうか?

○高齢者の島「対馬」・・長崎県対馬は65歳以上の高齢者の割合は約26%である。一級河川「番匠川」の河口に近くでごみの直撃を受ける大入島も事情は大して変わらない。

○「海ゴミ」とは・・著者が問題視しているごみと私が直面しているごみには違いがある。「漂流ごみ」「漂着ごみ」などと表現されるごみの総称としての「海ゴミ」という言葉はまだ成熟していない。湘南海岸のごみの出所は、河川からの自然ごみ44.6%、海岸放置ごみ30.8%、河川からの人工ごみ23.5%は平常時である。私の相手は河川の増水により、突発的に発生するごみである。今回の台風なら90%以上が河川からの自然ごみである。著者の視線はタバコのフィルター、使い捨てライター、ペットボトル等の「人工ごみ」が注がれている。浮力を持つ人工ゴミは沈まないため、広範囲に拡散する。人工ごみは腐敗せず環境に与える影響が大きいという発想であろう。有機物である樹木やアシ等の植物は、沈んだり、腐敗してしまうため関心が薄い。

○「漂着ごみとはなにか」・・漁業者は自らを「被害者」としてしか捉えていない。しかし、著者は漂着ごみの約8割がプラスティック」「発泡スチロールの破片で、全体の14%(74p)」とし、その大きな原因を「漁業用の大型浮き(75p)」と指摘している。環境への悪影響から論議する著者からみれば漁業者も「加害者」である。一方、漁業者は川上の人たちを「加害者」としてみている。かれらのいう被害は環境面ではなく、台風後にやってくるごみ掃除である。好むと好まざるとに拘らず、ごみを除去しなければ出漁できないのである。サラリーマンなら車で出勤しようとしたら、車庫の前にごみが山のように積まれている様な状況である。

○「求められる新たな制度」・・海ゴミの行政対応の難しさのひとつは、複数の役所が横断的に関わることである。国の関係省庁だけでも環境省(環境保全対策課・廃棄物対策課)、国土交通省(海岸部・港湾局)、海上保安庁(環境防災課)、水産庁(漁場保全課)、気象庁(地球環境業務課)、経済産業省(環境政策課)..となる。そして各省庁ごとに所管する法律がある。海洋汚濁防止法、廃棄物処理法、海岸法、自然公園法、港湾法、漁港漁場整備法、離島振興法、河川法..である。そこで2006年には「漂流・漂着ごみ対策に関する関係省庁会議」が開催された。これを知っただけでも朗報である。ただ、ここでも著者と私が直面していることにはギャップがある。国の予算が「台風などの災害などに大量の流木が漂着した場合」に限られ「日常的に漂着し、たまりつづけるごみには適用されない(185p)」ことを嘆いている。

「漂流・漂着ごみ対策に関する関係省庁会議」http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8100

○「進みはじめた漂流・漂着ごみ対策」・・著者は現段階では「行政による漂着ごみの定期的な回収制度を短期間のうちに整備することはむずかしい(196p)」とし、その経過的措置として「市民ボランティアによるごみ回収(197p)」を提案している。2005年に環境省で「海ごみ問題に関する関係者懇談会」を環境NGO「JEAN」が主催し、関係省庁の担当者が集まり対策を話し合っている。著者はこれに常設の事務局を設け定期的な話し合いの場としてプラットーフォームの設置が必要と主張している。(それを"Platform"を呼ぶ?)その例として「海ごみフォーラム・JAPAN」が稼動することを紹介している。そう言えば、今年6月に中津市で漂着ごみの集会があったことを思い出した。主催はNPO法人「水辺に遊ぶ会」だったが小島氏を招いていた。

NPO法人「水辺に遊ぶ会」http://www.max.hi-ho.ne.jp/y-ashikaga/

「海でつながる漂着ごみとみんなの市民運動」http://kiji.i-bunbun.com/read/read.cgi?1181401200=118143861922033=1

いずれにせよ、私の宿題は多い。

投稿: 末吉 | 2007年8月28日 (火) 11:18

楽天さんへ
速攻のコメントありがとう。
流木がだんだん水分を吸って、沈む直前が一番やばくないですか?見えないから避けられません。ペラを曲げる人が相当います。
台風直後は沖合いの潮目にゴミの山(ちょい大袈裟)があったとか..

投稿: 末吉 | 2007年8月28日 (火) 21:26

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