櫓を漕いで通学した
年配の女性に緋扇貝の試食を勧めると「二十歳まで屋形島にいた。」と昔話を始めた。「亀が卵を産みに来た。」「親はよその子も叱った。」「四十数人の小学生は同じ教室で勉強した。」そして「島外の中学校に櫓を漕いで船で通学した。」と郷愁を語った。「子供だけで?」と聞き返すと「そう。だから櫓漕ぎは皆上手」と楽しそうに答えた。その日の夕刊は朝夕の定期船の減便を伝えた。今春、中学生が卒業して島外に出た。もう子供はいなくなっていた。(蒲江)
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