« 特別席の聴衆 | トップページ | 空と海の青 »

2007年2月10日 (土)

「腕白小僧がいた」 -土門拳- 2002年

土門拳 腕白小僧がいた Book 土門拳 腕白小僧がいた

著者:土門 拳
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

 この写真集を買った理由は寺島実郎氏が著書『われら戦後世代の「坂の上の雲」』に小学校時代の筑豊での経験を書いていたことが頭に残っていたためである。私が生まれて間もない頃、隣県にいた小学生の寺島氏は「私の社会的思考は、子供心にも納得がいかない事象を目撃することから始まった。」という体験をしていた。小学生が教室で弁当を無心に食べる写真(177p)がある。ほとんどの生徒の視線は弁当箱に釘付けである。

 しかし、良く見ると女子3人と男子1人は、なぜか絵本を一心に読んでいる。当時、筑豊には弁当を持ってこれない子がいたことは寺島氏も記述している。土門拳は「弁当を持っているこどもたちが何かのひょうしでどっと笑っても、何も関係がないかのように絶対にそちらを振り向かない(176~177p)」とコメントしている。

|

« 特別席の聴衆 | トップページ | 空と海の青 »

07「読む」」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「腕白小僧がいた」 -土門拳- 2002年:

» 土門拳写真集 「腕白小僧がいた(小学館文庫)」 [社長ブログ - ムラウチドットコム・村内伸弘の社長日記]
昭和を代表する写真家・土門 拳(どもん けん)。 その土門拳さんの写真をまとめた文庫本を読みました。 なんだかとってもあったかい気持ちになりました。 ページの中で笑う子供、 泣く子供、 はしゃぐ子供。 チャンバラをする子ども、 ゴム飛びをする子ども、 酒田・山王祭りの露天の少女。 東京下町のこどもたち、 日本各地のこどもたち、 筑豊のこどもたち。 素敵な昭和時代を切り取ったかのような これらの写真には郷愁とともに、 人間存在のすばらしさが詰まっているようです。 にんげんバンザイ!と... [続きを読む]

受信: 2008年1月13日 (日) 20:37

« 特別席の聴衆 | トップページ | 空と海の青 »