「字がうまくなる『字配り』のすすめ」 -猪塚恵美子-
字がうまくなる 「字配り」のすすめ 著者:猪塚 恵美子 |
元々悪筆である。PCのキーボード打ち始めて約20年が経過した。既に書くより打つ方が早く楽になった。さらに漢字を忘れ危機感を感じている。下手な字を何とか読める程度にしないとまずい・・と思っていたとき書店に平積みでこの本があった・・買ってしまった。
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コメント
○第一章「手書きの効用」・・練習には力まなくても濃い字が書ける「おすすめのは万年筆(22p)」とあった。ところが文房具店が少なくなっている。近所に見当たらない。筆記具の需要と文房具だけで店舗を営むのは難しいのか。やっと見つけたデパートの文具売り場には万年筆が見当たらない。仕方なく、数百円の使い捨て万人筆を買った。
○第2章「楷書と行書」・・「西欧では、日本でいうようなペン習字の練習という概念がない(44p)」という。彼らにとって文字は記号に過ぎないと感じる。
○第3章「美しいペン字を身につける」・・ここで著者は「なぞり書き」を否定している。「一生懸命やったつもりでも・・どんどんはみ出してしまう人はたくさんいる・・うまくなぞれる人というのは、字のどこに注意して、どうあるべきかが分かっている・・そもそも字を書くのがうまい人なのです(63p)」と言われればそうかと思う。
○第4章「字配りのすすめ」・・「字形」は後回しにして、うまく見えるように「字配り」するというのである。「大きさ」「字間」「行末揃え」「書式にあわせる」の4つを揚げている。
○第5章「縦書きで楷書」・・大原則は「イライラするくらいゆっくり丁寧に」として、「線と線はきちんとくっつける」「きちんと折る」「横線の傾きをそろえる」ということである。早速実践した。最初はなかなか苦しい。字自体は少しまともになった程度である。しかし、少し慣れると書くことに対する苦痛が和らいだ。さらに慣れると、書いている字の周辺に目が少し行くようになった。いいかも知れない。漢字、ひらがな、カタカナが適度に混じった短歌を書き写してみる。
○第6章「縦書きで行書」・・基本的に楷書と大きく変わらない。「線と線の間はよくあけて」「一ヶ所つなげる」が加わる。余談だがコラムに「欧米でも日本式名刺交換が大変広まっています。(129p)」とある。さらに「欧米人は・・紹介されても音だけでどんどん名前を覚えて(129p)」とあった。表意文字の文化と表音文字の文化の差があると感じた。やはり欧米人にとって文字は記号に過ぎないと感じる。
○第7章「横書きで楷書・行書」・・もともと縦書きの日本語を縦書きにすれば無理が生じる。「同じ大きさの正方形に収める(136p)」と「ぎゅうぎゅうに詰まった」り、「わざとらしく太らせ」たりしなければならない。
投稿: すえよし | 2007年2月17日 (土) 21:47